ヒーリングストーリー【NZラーニングストーリー上級者編】
子育てブロガーゆめこです。
この記事ではラーニングストーリーの応用版として活用できるヒーリングストーリーについて説明しています。
私、子育てブロガーゆめこはニュージーランドで現役幼稚園教諭をしています。
今年2021年で、約20年ニュージーランドの幼児教育現場に関わっています。
この記事はこんな方におすすめ
- ニュージーランドのラーニングストーリーに興味があるあなた
- ラーニングストーリーのことをもっと学びたいあなた
- 教育関係者のあなた
ゆめこのラーニングストーリーの記事をまだ読まれていない方は、ぜひ最初に読まれてからこの記事をお読みになることをお勧めします。
ラーニングストーリーって何?ニュージーランドで働く幼稚園教諭が解説します
はじめに
私たち教員は、プロフェショナル・ディベロップメント・ワークショップと呼ばれる勉強会にできるだけ参加するようにしています。
それは、私たち教員が常に向上心をもち、新しいことを学んでいくためです。
また、新しい情報をインプットして子供達の学びの質を高めていくという目的もあります。
先日、私の勤務している幼稚園の団体勉強会があり、そこでヒーリングストーリーについて勉強しました。
ヒーリーングストーリーって何?
ヒーリングストーリーはラーニングストーりーのようにただ子ども達の学びの過程を綴っていくだけではありません。
ヒーリングストーリーは比喩を用いた物語を利用して、個人が直面している大変な出来事を克服する手助けをしようという教育目的で使われます。
簡単にいうと、ヒーリングストーリーは個人に密接に関連した作り話のことで、その物語を使って個人の行動パターンやトラウマを良い方向に向かうようにします。
名前の通り、HEALING・ 癒しを物語によって与えようというものです。
ヒーリングストーリは、園児だけではなく、ティーンネージャーや大人の方にも使っていただけます。
ヒーリングストーリーの例
ここで勉強会で紹介されたヒーリングストーリーの例を一つ紹介します。
ある4歳児の女の子、Aちゃんのお父さんの兄弟が自殺をしてしまいました。
Aちゃんのお父さんは嘆き悲しみ、子供達もそのお父さんの悲しむ姿を見て、また家族全員が悲しみにくれていました。
もちろんAちゃんにも影響が出始め、園でも上の空、何をしていてもとても悲しそうだったそうです。
この状況を改善するために作られたヒーリーングストーリー・うさぎのファミリー
ある農場に、年おいたジャイアントの夫婦が住んでいました.
ある日、野菜畑を作ろうと思い付き、畑を耕し始めました。
ジャイアントの夫婦は知りませんでしたが、その野菜畑の下には、うさぎのファミリーが住んでいました。うさぎのお父さん、お母さん、お兄ちゃんと妹の4人家族です。
平穏に暮らしてきたうさぎの家族にピンチが訪れました。
うさぎの家の屋根が崩れ始めました。
ジャイアントのおじいさんが、鍬を使ってうさぎのファミリーの家の真上の畑を耕し始めたからです。
しばらくすると、ジャイアントのおじいさんの鍬に何か引っかかるものがありました。
その鍬は、うさぎのお父さんの肩の上に降りかかり、うさぎのお父さんはとてもひどい怪我を負ってしまいました。
血飛沫が飛び散り、うさぎの家族はうさぎのお父さんのことをひどく心配しました。うさぎのお父さんはその怪我をひどく痛がり、ベッドに寝たきりになってしまいました。
うさぎの家族はうさぎのおとうさんのことをとても心配して、泣いてばかりでした。
うさぎの妹もジャイアントの庭で泣いていると、ユニコーンがうさぎの妹に話しかけてきました。
そのユニコーンはうさぎの妹に何故泣いているのかを聞いてきました。
そして、うさぎのお父さんがよくなるように、レインボーの魔法をかけると約束してくれました。
次の日、うさぎの妹が起きると、うさぎのファミリーの家の上はとてもカラフルなお花畑になっていました。
ジャイアントが野菜畑にしようとしていた場所は、ユニコーンの魔法によってお花畑になりました。
ジャイアントの夫婦は、他の場所に野菜畑を作らざる得なくなりました。
うさぎのお父さんの肩の怪我からは、血が少しだけ出るようになり、昨日よりも少しだけよくなっているようでした。
うさぎのファミリーは自分たちの家が安全であることを喜び、うさぎのおとうさんの怪我のお世話に励みました。
うさぎのお父さんの怪我は日が経つにつれ、少しづつよくなっていきました。
うさぎのファミリーの話の解釈
このヒーリーングストーリーでは、実際に起こったAちゃんのお父さんの兄弟の自殺が起因した悲しみを、怪我を折った悲しみに置き換えています。
うさぎのファミリーは、Aちゃんの家族構成と全く同じの4人家族です。
悲しみはすぐには無くならないけれど少しずつ良くなっていくことを意味しています。
この例を見ていただけると、ヒーリングストーリがどのようなものかが少しお分かりいただけると思います。
この例は、とても辛い出来事から回復するために作られたものです。
このようなトラウマ的な出来事だけではなく、ヒーリングストーリーはもっと日常的なことにも対応して、ストーリーを作っていくことができます。
例えば、園になかなか慣れずに困っている子供のためであったり、友達ができなくて困っている園児のためであって言い訳です。
物語はタイプをして家族とシェアすることはもちろんですが、私たち幼稚園教諭や保育士はこの物語をマットタイム(グループタイム)で園児の前で語る(story telling/ストーリーテリング)こともできるのですヒーリングストリーは生きた物語として、子どもたちの心に伝わっていきます。
素晴らしいことですね。
ヒーリングストーリーに必要な3つの要素
ここであげる3つのことに気をつけながら、ヒーリーングストーリーを作って行きましょう。
Metapher・比喩
個人が直面している問題や出来事を比喩を使い物語にしていく。
その個人が置かれている状況を連想させるようなキャラクター作りを心がける。
Journey・道のり
個人が体験している感情、直面している問題を物語に織り込んで、ストーリーを構成していく。
Resolution・解決策
何かしらの、解決策を物語の最後で提案してあげるようにする。
最後に
- Deep listening
- The power of creative words
- Deposits in children’s lives
ヒーリングストーリのワークショップの最後では、上記の3つのことをよく覚えておくようにと言われました。
物語を作る際は、その子どものことを深く理解しなくてはいけません。
そのためには、耳を傾けてよく話を聴くという姿勢がとても大事になります。
ワークショップを行った先生は、うさぎの家族の話意外にも数々のヒーリングストーリーを例としてあげ紹介してくれました。
ヒーリングストーリが子どもたちに与えた、ポジティブな効果は素晴らしいものでした。
クリエイティブな言葉、ストーリーは将来の子どもたちの生き様、未来までをも変えてしまうほどのパワーがあるとおしゃってられていました。
子ども達の人生を好転させるお手伝いが少しでもできる私たちの仕事は、とてもパワフルでやりがいがあるもだと改めて考えさせられました。
これから、ラーニングストーリーと共に、このヒーリングストーリーを実際に取り入れていきたいと思います。
ヒーリングストーリーは、親御さんとのコミュニーケーションを深めるツールにもなります。
このヒーリングストーリーにラーニングストーリを織り交ぜながら、子ども達の成長を見守ることができます。
ゆめこの書いたヒーリングストーリーもまたこのブログで紹介させて頂きます。
皆様も是非試されてみてください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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