幼稚園でのサスティナブルな取り組み(ニュージーランド編)

子育てブロガーゆめこです。

私がニュージーランドの公立幼稚園で働き始めて、まず驚いたのは「環境教育が特別なものではない」ということでした。

この記事では、以前公開した内容を最新の情報に更新しながら (2026年1月8日、私が勤務しているオークランド市の公立幼稚園で、実際に行われているサスティナブルな取り組みを、ご紹介していきます。

それでは環境教育に力を入れているニュージーランドの幼児教育現場で、どのようなサスティナブルな取り組みが行われているのかを見ていきましょう!

サスティナブルって何?

日本語の直訳は”持続可能”となりますが、分かりやすく言い換えると、

環境とそれを取り巻く社会に優しい状態を、持続しているとなります。

テキ

今現在の環境を守りつつ、私たち人間が環境と共存し、住みよい社会を作っていく状況・状態のことを意味します。(サステナブルと表記されることもあります。)

日本でもよく知られるようになった、SDGsのとりくみと同じ意味になります。

ニュージーランドの幼稚園でのサスティナブルな取り組み

エンバイロスクールプログラム(Enviroshools Programme)

自然豊かなニュージーランドでは、その自然を守るために、環境教育に力を入れています。

エンバイロスクール(Enviroshoolsは1993年にハミルトン市で発足し、2001年からは国を挙げて推し進めているプログラムです。

義務教育期間(小、中、高)中に、教育科目に組み込まれ授業の一環として教えられます。

10年程前から幼児教育施設でも使われるようになりました。

2026年現在では、1300以上の学校がエンバイロスクール・プログラムに参加しています。

エンバイロスクールの公式サイトはこちらから

エンバイロスクールプログロムについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。

ゆめこの幼稚園では具体的にどんなことをしているの?

ここからはゆめこの勤務する公立幼稚園で実際に子どもたちが毎日取り組んでいることを紹介させて頂きます。

リーダーがゴミを指定された場所に捨てにいく

子どもたちの立候補によって毎日2、3人のリーダーが決まります(私たちはマオリ語でランガティラと呼んでいます、2026年1月8日更新)

リーダーの仕事は園で出たゴミを捨てる作業になります。

園内には、大きなゴミ箱はなく、子どもたちが持ち運びできるような小さなゴミ箱が種類別にいくつか設置してあります。

埋め立てゴミ、不燃ゴミ、紙のゴミ、コンポスト用、ワーム(みみず)ファーム用、ボカシ肥料に分かれています。

ゴミ箱には写真のラベルが貼ってあるので、まだ字の読めない子ども達でも、どのゴミ箱にどのゴミを入れればいいのかが分かりやすいようになっています。

このリーダーのシステムの導入によって、子ども達はごみの種類を学び、ゴミの選別の仕方を体験していきます。

そして、どうすればゴミを出さないようにできるかを日々学んでいます。

ワームファーム(ミミズが食べ物を分解し、堆肥を作ります)

グリーンビン(庭で出たゴミ用)写真下の左

コンポストビン(微生物によって植物や食べ物などの有機物が分解され堆肥となります)

ゆめこ

リーダーの子ども達は颯爽とマントを身に着け、リーダーとしての仕事をこなしていきます。

裁縫の得意なお母さんがマント(コロワイ・マオリ語でマントの意味)を作ってくれました。

バッジ、ベストなども試しましたが、子どもたちにはマントが一番人気でした

ランチボックスの中身にはできるだけゴミがでないようなものを入れる

子ども達は毎日、お弁当を持参します。

ニュージーランドではランチボックスと言い、日本のお弁当箱とはかなり違った形式なものを使っています。

ランチボックスの中身には出来るだけゴミの出ないものを入れてくるようにと、入園の際に保護者、子どもに伝えられます。

サンドイッチやおにぎりなどは、サランラップを使わないで、ビーズワックスラップ・蜜蝋ラップ(beeswax wrap)やで包むようにしたり、もしくはランチボックスに直接入れます。

ビーズワックスラップ(beeswax wrap)とは?

コットンに蜜蝋(beeswax)を染み込ませたもので、 洗って何度でも繰り返し使えます。

自然素材の食品保存用のラップのことで、サランラップの代用として使えます。

包装されたお菓子は避け、小さい入れ物(container)などにいれるようにします。

小分けのヨーグルトなども、プラスチックのゴミが出てしまうため、出来るだけ避けるようにしています。

ゆめこ

園児たちが持ってきているランチボックスの例です。

無駄をなくし再利用を心掛ける

家庭から集められた卵の殻や、園で使ったコーヒー豆の粉カスは、なめくじ、カタツムリなどの害虫よけとして、園庭の植物の周りに撒きます。

捨てるものをいかに少なくして再利用していけるかを考えるようにしています。

又、保護者の方に呼びかけ、家庭から集めたリサイクルできるものを園に持ち寄ってもらい、子どもたちが園で使います。例えば箱、ワインのコルク、ガラスの瓶などです。

ガーデンからテーブルへの教育(Garden to Table Education)

園には、アボカド、西洋なし、フィジョア(ニュージーランドのフルーツ)、パッションフルーツなどの果物や、ジャガイモ、ニンジン、ほうれん草などの野菜類、又様々な植物がところ狭しと、植えられています。

子ども達は園でとれたフレッシュな食べ物を使い、スムージーを作ったり、フルーツティ、ドライフルーツ、ハーブを入れたスコーン(焼き菓子)など、様々な食べ物を作る体験をしています。

園庭でとれたものを調理してキッチンのテーブルで食することをガーデンからテーブルへの教育garden to table education)と呼びます。

園には大きなオープンキッチンがあるので、子ども達はほぼ毎日料理の体験を楽しんでいます。

ゆめこ

(昨年からの新型コロナウィルスのアラートレベルにより、調理ができない日もでてきています)

追記:(2023年5月現在)

新型コロナウィルスの規制も緩和され、園児たちは毎日のように、クッキングアクティビティを楽しんでいます。最近人気があったメニューは、園庭でとれたシルバービートなどの緑の野菜やフルーツを混ぜて作ったスムージーや、簡単に作れるパンです。

追記:(2026年1月8日現在)

毎日のプログラムの中に、クッキングアクティビティ・料理体験がくみこまれています。

生命・自然の循環サイクルを学ぶ

ガーデニングが子どもたちにとって身近なものになるように、色々な工夫がしてあります。

ガーデン用の子どもの手袋や、シャベルは子どもたちが自分でいつでも使えるように、背の低い棚に収納してあります。

水やりや雑草取りも子ども達の仕事です。

園で栽培している、食物から種を収穫し、そしてその種から苗を育てる経験もします。

園で育てられた苗は各家庭に持ち帰られ、子どもたちはその苗を家族と一緒に育てていきます。

ガーデニングの体験を通し、身の回りの環境を維持する具体的なやり方、又生命の循環サイクルを学んでいっています。

家族ぐるみの勉強会

子どもだけではなく、保護者、家族皆が参加できる勉強会も行っています。

エンバイロスクールナイトなどと称し、園が終わってから、ウエットバック(濡れた洋服を入れる防水バッグ)やビーズワックスラップの作り方を紹介しながら、一緒に作ったりします。

保護者用の勉強会、例えばコンポスト用のゴミ箱の作り方などを専門家にサポートしてもらいながら、教員共々一緒に学んでいくという機会もあります。

又、市役所の環境担当の方たちを、園に招待して、子どもたちのためのスペシャルプログを設けたりもします。

例えば、どうやったら水を無駄にしないかということを、子どもに分かりやすいように教えるために、参加型の劇を見ます。

ウォーター・エデュケーションといいます

節水の方法や、浄化のシステムを、子ども達自身が劇に参加しながら学んでいきます(例えば子ども達自身が水の雫になったりしながらです)。

子どもたち、保護者、そして教員皆が経験を通して、サスティナブルな活動を学んでいっています。

二酸化炭素の排出を防ぐ努力をする

子ども達が園にきて最初にすることは、自分の名前のカードを探すことです。

そして、そのカードは自分たちがどのような交通手段(車、バス、自転車、スクーター、徒歩)をとったかによってボードに仕分けされます。

例えば、歩いてきたら、歩いている人の絵が乗っている場所に自分の名前を張り付けます。

ニュージーランドでは日本のように自転車があまり普及しておらず、車の移動がほとんどです。

それでも、ゆめこの園では保護者の方も、自転車(バイク)で通園される方もいます。

子どもたちは、綺麗な空気を保っていく為に、出来るだけ二酸化炭素がでない、交通手段をとっていくようにと教えられています。

園庭で使う水は雨水

園庭で遊ぶ際に使う水は、雨水を貯めたタンクからの水です。

雨水タンクと、園庭にある2か所の給水ポンプが繋がっており、子どもたちは自分たちでポンプの水を汲み、砂場で遊んだり、植物に水をあげたりします。

子どもたちはある一定量の水を使い切ると、その後は水が使えなくなることを知っています。

水の大切さを遊びながら学んでいます。

要らなくなったおもちゃ、本などの再利用

園で使わなくなったほとんどの物は、他の幼稚園などで再利用されます。

捨てる前に一度再利用、リサイクルできないかを考えます。

オークランド幼稚園ネットワーク内で、『譲ります』の投稿を出し合ったりもしています(2026年1月8日現在)。

ニュージーランドでは、このように幼稚園児から環境と共存していくことを学んでいます。

(レデュース)Reduce; 無駄をなくす

(リユース)Reuse; 最利用

(リサイクル)Recycle; 再循環

この3つのポイントは園でのカリキュラムと連携して、子ども達に日常的に教えられています。

ゆめこ

園の年長の子ども達はリサイクルできないゴミ(landfill埋め立てゴミ)は、地球の環境を汚してしまう、悲しいゴミと認識しています。

この小さいころからの意識の持ち方は、サスティナブルな社会を保っていく為に、とても重要なことだと思っています

He waka eke noa (マオリ語)- ‘we are all in this together(英語)’ みんなで一緒に

2020年に制作された、各地の幼稚園でのエンバイロスクールの取り組みを録画したビデオです。
英語ですが、画像を見て頂くと子どもたちの取り組みが詳しく分かります。

The Enviroschools kaupapa in the ECE setting – video

以上になりますが、ニュージーランドの幼稚園で取り組まれているサスティ ナブルな試みについてどう思われましたか?

その他、ご意見やご質問がございましたら、ゆめこまでお気軽にお問い合わせください。

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追記

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