ニュージーランドのエンバイロスクールって何? 

子育てブロガーゆめこです。

 

この記事では、ニュージーランドのエンバイロスクール(enviroschools)について説明させて頂きます。

 

この記事はこんな方におすすめ
  • ニュージーランドの教育に興味のある方
  • ニュージーランドの幼児教育現場でどのような環境教育が行われているかを知りたい方
  • サステイナブルな取り組みについて興味のある方
  • SDGsについて関心のある方

 

 

 

 

エンバイロスクールって一体何?

ニュージーランドでは環境教育に特に力を注いでいる学校エンバイロスクールと呼び、その学校ではエンバイロスクールプログラムが使われています。

 

Enviroschools is an environmental action based programme where young people are empowered to design and lead sustainability projects in their schools, neighbourhoods and country.

エンバイロスクールプログラム環境行動に基づくプログラムであり、若者が学校、近隣地域、国で持続可能性プロジェクトを設計し、主導する権限を与えられています。

Enviroshools home page, https://enviroschools.org.nz/より引用

エンバイロスクールプログラムは、エンバイロスクール財団とマオリ団体Te Mauri Tau (テ マウリ タウ)とのパートナーシップで運営されています。

全国の市役所 (Council) も学校とコミュニィティーを繋ぐ重要なコーディネーターの役割を果たしています。

 

 

エンバイロスクールの歴史

1993年 エンバイロスクールコンセプトがハミルトン市で発足
1997年 *ハミルトン市が環境教育役員Environmental Education Officer)を雇い、エンバイロスクールプログラムの開発に積極的に取り組み始める
*マオリの世界観をエンバイロスクールプログラムに適切に取り入れていく為、マオリの団体、Te Mauri Tau (テ マウリ タウ)がプログラムの設立に深く関わるようになる
2001年 政府環境省のサポートにより、エンバイロスクールプログラムが全国で取り組めるようになる
2003年 *エンバイロスクール財団が、Te Mauri Tau (テ マウリ タウ)とのパートナーシップにより設立
*エンバイロスクールのサポートシステムが全国各地に設けらるようになる
2004年 エンバイロスクールプログラムのサポート強化のためにリソースキット(ハンドブック)が制作される

 

その後エンバイロスクールプログラムは現在のように義務教育期間中(小、中、高)、教育科目に組み込まれ授業の一環として教えられるようになりました。

幼児教育施設でも10年程前からエンバイロスクールプログラムが使われています。

 

エンバイロスクールの公式サイトによると、ニュージーランド全国の小、中、高校の40%、幼児教育施設の12%がこのエンバイロスクールプログロムに参加しています。

 

https://enviroschools.org.nz/about-us/our-history/より抜粋

 

エンバイロスクールの公式サイトはこちらから

 

 

エンバイロスクール・リソースキット

https://enviroschools.org.nz/about-us/resources/より抜粋

 

エンバイロスクールプログラムを始める教育施設には、プログラムの詳細が書かれたハンドブック(手引き書)が無料で配布されます。

勉強会や、エンバイロスクール参加校同士の横のつながりを強くするネットワーク作りも各地に点在するコーディネーターがサポートをしてくれます。

 

ゆめこ

このハンドブックは、リサイクルのペーパー、又環境に優しいインクで作られています!

 

 

5つの原則(5 Guiding Principles )

 

エンバイロスクールプログラム5つの原則

1、サステイナビリティの学習

2、生徒の参加型

3、先住民マオリの世界観をリスペクト

4、多様な人々と文化の尊重

5、サスティナブルなコミュニティ作り

エンバイロスクールに認定された学校は、この5つの原則にそった学びを常に提供していくことになります。

特にニュージーランドらしい特徴は、

3番の先住民マオリの世界観をリスペクトと

4番の多様な人々と文化の尊重 

かと思われます。

 

エンバイロスクールプログラムではニュージーランド先住民であるマオリの文化、マオリのルーツを環境教育と同時に学んでいきます。

また、他民族国家でもあるニュージーランドでは様々なカルチャー、それぞれの価値観や学びのスタイルをお互いに尊重しながらプログラムを進めていきます。

 

 

エンバイロスクールプログラムの学習テーマ

 

エンバイロスクールプログラムの学習テーマ

1、ゴミ(Zero Waste)

2、環境 (Living Landscapes)

3、水の資源 (Water of life)

4、エネルギー (Energy)

5、エコな建物 (Ecological Building) 

 

具体的な例

園では、高窓を付けて日光が入りやすいようにするなど建物自体が周りの環境を有効に活用できるように設計されています。

またランチのあとは、マインドフルネスタイムと称し、室内の電気は消して、ナチュラルなライトのみで、静かな時間を過ごすようにもしています。

 

ゆめこの働いている幼稚園での取り組みについては、別の記事で詳しく紹介させて頂いております。

 

幼稚園でのサスティナブルな取り組み(ニュージーランド編)

 

 

エンバイロスクール3段階ランキング

エンバイロスクールは3段階にランク分けされます。

学校全体の活動内容によって、ランクがあがっていきます。

学校にもよりますが、グリーンゴールド・金に到達するまでにはかなりの年月を要します。

 

 

Bronze  (ブロンズ・銅)

Silver (シルバー・銀)

Green/Gold (グリーンゴールド・金)

 

ゆめこの園は現在シルバー・エンバイロスクールです。

12年前からエンバイロスクールプログラムに参加し、今現在はグリーンゴールド・金のステイタスを目指しています。

エンバイロスクールには各段階に認定される毎に、サインボードが贈呈されます。

サインボードは各教育機関の入り口に表示されます。

どの学校がエンバイロスクールプログラムに参加していて、どのランクに位置づけされているかが一目で分かります。

 

 

エンバイロスクールプログラムを教員はどのように取り入れているの?

前述しましたように、ゆめこの園では、12年前からエンバイロスクールプログラムを導入し、様々な取り組みを行ってきました。

大々的なものとして、園庭のリフォームがあります。

プラスチックの遊具をすべて取り除き、木製にしたり、ガーデンエリアを拡大したりしました。

 

毎年、年のはじめには、エンバイロスクールプログラム会議を教員全員で行っています。

先ほど紹介させて頂いた5つの学習テーマに沿い、具体的にどういうことを1年間で行っていきたいかを決めていきます。

ブレインストーミング(グループでアイデアを出していく)をしながら、計画を立てていきます。

そして、アイデアを出した後には、アクションプラン(どの教員がどの時期にどういうことをしていくのか)を綿密に決めていきます。

 

例えば、ゆめこはゴミ処理場の見学の計画、他の先生はコミュニティも使えるガーデンスペースを、子ども達と作っていくなど、細かく決めていきます。

エンバイロスクールの計画書、子ども達の取り組みの記録など、エンバイロスクールにまつわるすべてのドキュメンテーションがファイルされ保管されます。

 

私たち教員が行っているエンバイロスクールのプランニングは、エンバイロスクールプログラムが掲げるアクションラーニングサイクル(Action learning Cycle)に沿って行われます。

 

現状把握

可能性を追求

行動

変化を熟考

 

この4つのサイクルは終わることなく、常に現状改善を目的として続けられていきます

 

 

 

カイティアキ(kaitiaki)

カイティアキ(kaitiaki)というマオリ語はエンバイロスクールプログラムを語る上では、欠かせない言葉になります。

英語ではガーディアン、日本語では支援者、後見人という意味になります。

 

カイティアキは、ニュージーランドのマオリ語で、保護者の概念、空、海、陸の概念に使用されます。カイティアキは保護者であり、環境を保護および管理するプロセスと実践は、カイティアキタンガと呼ばれます。

ウィキペディアより引用 

エンバイロスクールプログラムに参加しているニュージーランドの子ども達は、自身が取り巻く環境のカイティアキになるべく、日々サスティナブルな活動に励んでいます。

 

 
2020年に制作された、各地の幼稚園でのエンバイロスクールの取り組みを録画したビデオです。
英語ですが、画像を見て頂くと子どもたちの取り組みが詳しく分かります。

The Enviroschools kaupapa in the ECE setting – video


 

 

 

日本でも小学校は昨年度から、中学校は今年、そして高校では2022年度からSDGs教育が義務化されています。

 

ゆめこ

ゆめこは日本の学校でのサステナブルな取り組みにも非常に興味があります。

個人的に連絡を頂ければクラブハウスでも情報交換ができるルームも設けていきたいと思っています。

 

以上になりますが、その他、ご意見やご質問がございましたら、ゆめこまでお気軽にお問い合わせください。

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