子育てブロガーゆめこと申します^^
この記事では、幼児教育法の一つであるレッジョ・エミリア・ アプローチについて、幼稚園教諭で子育てブロガーでもあるゆめこが分かりやすく解説させて頂きます。
レッジョ・エミリア・アプローチてっ何?
レッジョ・エミリア ・アプローチとは、就学前と初等教育に焦点をあてた、幼児教育法のことです。
レッジョ・エミリアとはイタリア、エミリア=ロマーニャ洲に位置する都市の名前です。
第2次世界大戦後、教育家ローリス・マラグッツィとレッジョ・エミリア市付近の村の母親たち、またレッジョ・エミリア市が一丸となって、学校を作り上げました。
その学校で用いられた、また今でも使われている教育法をレッジョ・エミリア・アプローチといいます。
レッジョ・エミリア・アプローチを基盤とした学校はイタリアのレッジョ・エミリア地方を中心として広がり続け、数多くの学校が設立されました。
その地方全体から由来した教育法であることから、その都市の名前、レッジョ・エミリアの名前自体が教育法の名前として使われるようになりました。
1991年のアメリカの週刊誌【Newsweek】にレッジョ・エミリアのスクールが斬新で素晴らしいスクールと紹介されました。
この記事を皮切りに、レッジョ・エミリア・アプローチは世界的に有名になり、教育者が絶え間なくレッジョ・エミリアのスクールを訪問するようになりました。
レッジョ・エミリア・アプローチの創始者 ローリス・マラグッツィって誰?
- イタリア人(1920-1994)
- 元小・中学校教諭、教育心理学者、構成主義者、文部省アドバイザー
- 雑誌出版も手がける
- 第2次世界大戦後の1946年、レッジョ・エミリア地区の母親グループと共に学校を開校させる。この学校がレッジョ・エミリア・アプローチを唱える最初のスクールとなる
- 1963年に地方、自治体に属する、幼児スクールを開設
- 1971年には地方自治体に属する、乳児幼児センターを開設
- レッジョ・エミリア・アプローチのダイレクターを39年務める
- 1985年に引退した後も積極的に学校の活動に関わる
- いくつもの賞与を受賞
- The hundred languages of children 【子どもたちの100の言葉】を提唱し、世間に広める
日本でのレッジョ・エミリア教育
日本ではそこまでメジャーではありませんが、モンテッソーリ教育やシュタイナー教育とともに少しづつ注目を浴びている教育法です。
日本では、東京都内に数件の幼稚園、北海道、山梨にも>レッジョ・エミリア・アプローチをとりいれて経営されている幼稚園があります。
都内の世田谷を拠点に活動している【アルテナラ】という>レッジョ・エミリアのプロジェクト団体も存在しています。
日本から、イタリアへの幼児教育研修旅行と称してレッジョ・エミリア他、モンテッソーリのことも学ぶ、ヨーロッパへのツアーもインターネット上で見つけました。
レッジョ・エミリアのシンポジウムも日本化学未来館で今年2月に行われています。
日本ではこれから益々注目されていく、教育法ではないかと思われます。
ニュージーランドでのレッジョ・エミリア教育
子育てブロガーゆめこが住んでいるニュージーランドでは、レッジョ・エミリアアプローチを取り入れている保育園、幼稚園がたくさんあります。
(ニュージーランドではエミリアをとって、レッジョ・アプローチ、英語読みではレジオアプローチと呼んでいます。)
レッジョ・エミリア・アプローチを習得するための、幼児教育者のためのイタリアへのスペシャルツアーや、ニュージーランド国内での勉強会も各地でさかんに行われています。
子育てブロガーゆめこもレッジョ・エミリア・アプローチを強く取り入れた保育園で9年程勤務していました。
現在勤めている幼稚園もレッジョ・エミリアの理念を所々に組み込んでいます。
レッジョ・エミリア・アプローチ教育の特徴
- 子どもは生まれながらにして学びそしてコミュニケーション能力を持ち合わせている
- 親、子どもの周りを取り巻くコミュニティが(地域、自治体)子どもの学びに深くかかわる
- 子どもの興味がある特定のことを、子どもが舵をとり、子どものペースで学んでいく、プロジェクトアプローチをとる
- レッジョ・エミリア・アプローチでは、教員は一方的に教える立場ではなく、子どもと一緒に学び、サポートをしていく立場にたつ(答えではなく自分で考えるやり方を共に考えだす)
- 子どもをよく観察して子どもの意見をよく聞く
- 子どもの学びの記録を、こども自身、親、コミュニティー(その園に関わる人々)にも分かりやすく表示、展示する(documenting ドキュメンティング)
- 美しい環境、空間を作ることが必須
- 芸術性を活かして子どもの考えを様々な形で表現できるように促す
- 子どもたちの100の言葉(The Hunderead Languages of Children)子ども達は様々な方法で自分たちの考えや学びを表現していくと説く。そのやり方はまさしく子どもにもよっても様々で100通りがあるという比喩を使って説明される。
- 本場のレッジョ・エミリア教育の学校にはアトリエスタという美術専門の先生が美術室にて子どもたちを教える。(世界各地のレッジョ・エミリア・アプローチを取り入れている、幼児施設では美術の場所だけを確保して、普通の先生が教えているところも多い。)
レッジョ・エミリアを子育てにとりいれることはできるの?
レッジョ・エミリア ・アプローチのことをきちんと理解していれば、もちろんご家庭でも使っていくことはできます。
具体的に家では、レッジョ・エミリア子育てってどうすればいいの?
- シンプルで素材を活かしたおもちゃを使う
- 子どもが主役、子どもの意見、考えをよく聞く
- 子どもと一緒に物事を決めていく
- アート、芸術に親しめる環境づくりをする
- 子どもの成長、遊び、学びの記録をとり、子どもと一緒にふり返る
等があげられます。
ここから詳しい説明をしていきますね。
シンプルで素材を活かしたおもちゃを使う
シンプルで素材を活かしたおもちゃを使用して遊ばせるようにしましょう。
型が決まってしまって、一通りの方法でしか遊べないおもちゃより、積み木、粘土, ビーズなど工夫次第で色々なものに変化できる物を選んであげるようにしましょう。
自然の中で見つかる物、どんぐり、葉っぱ、木の枝、石、貝殻なども子どもたちにとって、立派な遊び道具になります。
子どもが主役、子どもの意見、考えをよく聞く
お子さんを一人のユニークな人間として、リスペクトして付き合っていきましょう。
あなたのお子さんは小さいながらも色々な意見、考えをもっています。
親としてのあなたの考えを一方的に押し付けることをせず、お子さんの声に耳を傾けてみて下さい。
お子さんが主役と考えて下さい。
子どもと一緒に物事を決めていく
レッジョ・エミリア・アプローチ を基にした子育て法では、親のあなたはお子さんと一緒に共に考え、答えを探りだしていくようにします。
これは、何でもかんでも、お子さんの好きなようにさせるということではなくて、お子さんと一緒に何が最適な方法か、また新しい発見が出来るかを見つけ出していくということです。
あなたは親としてお子さんにアドバイスを与えますが、答えをそのまま提示するのではなく、成長過程に合わせて、お子さんが自分で答えを導きだしたり、何かを決めたりできるようにサポートをしていくと覚えてください。
そうすることによって、あなたが見えていなかったお子さんの考え、違う視点からの気づきもあり、親のあなたも子どももお互いに成長していけるようになります。
アート、芸術に親しめる環境づくりをする
レッジョ・エミリア ・アプローチは、子どもが学びたいと思ったことを、子どものペースで探求させ、子どもなりの答えを見つけていくことを提案しています。
子どもの考えを表現するツールとして、レッジョ・エミリア ・アプローチをとる教育施設ではアート、芸術をさかんに取り入れています。
ご自宅ではなかなか、本格的な美術の用品を揃えるのも大変かと思われますので、無理をする必要は全くありません。
100均などで、カラフルなペーパー、粘土、ペン、クレヨン、チョーク、色鉛筆、ビーズ、絵具等を買い揃えられて、お子さんが使いたい時に、使わせてあげるようにすることから始めてみませんか?
お金をかけずに、菓子折りの箱、牛乳のパック、ワインのコルクなどリサイクルできるものを集めて、お子さんに与えてみるのもいいかと思います。
お子さんにとって使い勝手の良いように、家の中の家具の配置や、収納法などを配慮されてみて下さい。
子どもの成長、遊び、学びの記録をとり、子どもと一緒にふり返る
殆どのあなたが、もうすでにされていると思いますが、あなたのお子さんが一生懸命取り組んでいることや、日常のことを動画や写真で記録してください。
子どもの成長記録として、残したいためにされている方が多いかと思いますが、その大切な写真や動画を、お子さんの学びの記録という観点からみられてはどうでしょうか?
写真や動画をあなたのお子さんと一緒に振り返り、お子さんがどういったことをしていたか、何を学んでいたのかを、書いてみたり、話し合ってみてください。
お子さんが実際にどういったことを考え、その行動をしていたかなど、驚きの気づき、またお子さん自身も自分の学習を振り返る、いい機会になります。
今回はこうしたから次はこうしたい、こうしたらもっとうまくいったのになど、色々なことが客観的に見えてくるかと思います。
レッジョ・エミリア・アプローチでは、子どもの学びを、子ども自身が振り返る(reflection リフレクション)をとても大事なことと捉えています。
まとめ
ここまで、レッジョ・エミリア・アプローチが一体どういったものか、レッジョ・エミリア子育てについて、ゆめこなりにできるだけ分かりやすく解説させて頂きました。
レッジョ・エミリア・アプローチでは子どもは生まれながらにして、とても好奇心旺盛で、自分が置かれている場所、周りのことを自発的に学ぼうとするという味方をします。
周りの大人は子どもがいかに、子どもたちなりのアイデアを学びのプロセスの中で表現できるかを手助けし、そして一緒に発見をしていくパートナーの役割を果たします。
最後にレッジョ・エミリア・アプローチは、使用する環境、子ども、そのコミュニティに合わせて、うまく融通をきかせて頂けます。
これをやっていないから、レッジョ・エミリアではないというのではなく、レッジョ・エミリア・アプローチをそれぞれ違う背景、状況、子ども達の中で応用していく中で、自分たちにしっくりくるように、調整をしていけばよいのです。
以上になりますが、ここでYouTube動画を紹介させて頂きます。
英語の文字のスライドも出てきますが、写真の方が多いのでそれを見て頂くと、本場レッジョ・エミリア・スクールではどういったものを使っているのかがお分かりいただけます。
ゆめこの働いている幼稚園でも、よく似た素材の物を使用しています。
この記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
ゆめこ♥
ご質問はツイッターからも受け付けております。
>>Yumeko@子育てブロガー in ニュージーランド(@BloggerYumeko)Twitter
関連記事
Sponsored Links